■ はじめに──副業を始めた、ただそれだけのはずだった
ある日ふと、財布の中の一万円札を数えて気づいた。
「今月、生活費足りるかな?」
本業だけでは生活がギリギリ。飲み会も趣味も、ちょっとした贅沢もできない。そんな日々が、もう何ヶ月も続いていた。
でも転職する勇気もない。スキルもない。時間もない。
何かないか、すぐに始められて、お金を稼げる副業──。
そうして、私はウーバーイーツに辿り着いた。
登録も簡単、スマホと自転車さえあれば今日から始められる。
「これなら私でもできるかも」──最初はそんな軽い気持ちだった。
でも、ウーバーイーツの世界は想像よりもずっと過酷で、そして想像以上に温かかった。
■ 配達初日──ゼロからの一歩がこんなに怖いなんて
初めての配達は、5月の風がやさしく吹く日だった。
スマホを握る手が汗ばんでいた。
「〇〇寿司から注文が入りました。配達先:△△ビル」
心臓がバクバクする。Googleマップを開いても方向がわからない。
裏路地に迷い込み、建物の入り口が見つからず、エレベーターは止まっている。
やっとのことで配達先に着くと、受け取った女性が無言でドアを閉めた。
「ありがとう」の一言が、こんなにも欲しいと思ったのは初めてだった。
家に帰って、報酬画面を見た。
1時間半で、たったの780円。
「これ…ほんとに、稼げるの?」
そんな不安が喉の奥でつかえて、涙が出そうになった。
■ 雨の日、風の日、真夏の太陽──過酷な現実
梅雨がやってきた。
レインコートを着て走るたび、全身がびしょびしょになる。
坂道で滑りそうになりながら、慎重にペダルを漕ぐ。
夏が来た。
汗が滝のように流れる。
マスクの中が蒸れて、息ができないほど苦しい。
配達の途中で、何度も心が折れそうになる。
「なんでこんなことしてるんだろう」
「私は…どこへ向かってるの?」
でも、そんなときに限って、優しい言葉に出会う。
「暑い中ありがとうね」
「これ、お茶でも飲んで」
たった一言、たった一本のペットボトルが、どれほど心を救ってくれるか──
体験した人にしか、きっとわからない。
■ 見えてきた「稼げる配達員」と「稼げない配達員」の違い
最初の頃は、1日4件とか5件の配達だった。
時給換算すれば500円にも満たない日もあった。
でも、ある日ふと気づいた。
「上手くいってる人たちって、待機場所が違う?」
そう。配達件数を稼ぐには、「どこで待機するか」が全てだった。
・昼時のオフィス街
・夜のタワーマンション地帯
・雨の日は注文が増えるエリア
彼らは天気と気温、曜日と時間帯、エリアの動きをすべて分析していた。
それから私は、ノートに毎日の配達ルートと件数、報酬、天気、時間帯を記録しはじめた。
やがて、1日10件を超え、1時間1000円を安定して稼げるようになってきた。
「副業」から「戦略」へ──
気づけば、ウーバーイーツは私にとって「仕事」になっていた。
■ 出会いと別れ──この街の縮図を見ている気がした
配達という仕事は、誰かの生活の隙間に入り込む仕事でもある。
赤ちゃんを抱えたお母さん
夜勤明けの看護師
誕生日ケーキを頼んだ高校生
ひとり暮らしの高齢者
誰かの「日常」の一部になれている。
「ちょっとまって、これお釣りあるよ!」
「気をつけて帰ってね!」
そんなやりとりのひとつひとつが、心にじんわり残っていく。
ある日、いつも注文してくれる男性からの注文が来なくなった。
玄関先に貼られた「空き室」の紙。
何があったんだろう──そんな想像が、少し寂しかった。
■ 「副業」以上の価値──変わったのはお金じゃなくて、私自身
ウーバーイーツを始めて1年。
私は、大きく変わった。
・「ありがとう」が素直に言えるようになった
・自分の体調や感情に敏感になった
・道に迷っても、前に進めるようになった
もちろん、お金も大切。
月に5〜7万円は副収入として大きい。
そのおかげで、生活に少しだけゆとりが生まれた。
でも、それ以上に大きかったのは「自分を信じる力」を取り戻せたことだった。
「あの日、登録ボタンを押してよかった」
心から、そう思う。
■ これから始めるあなたへ──ウーバーイーツの副業を考えているなら
最後に、これからウーバーイーツを始めようと思っているあなたへ。
● メリット
・スマホと自転車(またはバイク)があればすぐ始められる
・時間や場所を自由に選べる
・本業のスキマ時間にも対応できる
・体を動かすので健康維持にもつながる
・孤独なようで、人とのつながりを感じられる
● デメリット
・天候に左右される(特に雨・猛暑・寒さ)
・最初は稼げない可能性もある
・体力的にキツイ日もある
・事故やトラブルのリスクがある
・モチベーションを維持するのが大変
● アドバイス
・最初は「稼ごう」と思わず、慣れることを目標に
・配達メモを取ってデータを貯めよう
・「ありがとう」に敏感になろう
・決して無理はせず、心と体を大切に
・小さな成功を積み重ねていこう
■ おわりに──人生を変えるのは、いつだって小さな勇気から
人生は、劇的に変わることなんてそうそうない。
でも、小さな選択、小さな勇気が積み重なって、
気づけば「前より少しだけ、自分を好きになれた」と思えるようになる。
ウーバーイーツは、私にとってそのきっかけだった。
これを読んでいるあなたも、
今日という日に、何か一歩を踏み出してみませんか?
あなたのハンドルを握るのは、あなただから。
※この記事は、一般的な情報をもとに執筆したものです。税務に関する制度や手続きは変更される可能性があるため、具体的な対応については必ずご自身で最新の情報を確認し、必要に応じて税務署や専門家にご相談ください。最終的な判断や対応は自己責任となりますので、ご了承ください。
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