1. 副業と確定申告の基礎知識
副業に関する確定申告の基本知識には、申告の必要性、申告方法、所得の計算、税金の計算、そして節税対策が含まれます。これらを一つずつ見ていきましょう。
図解・表解 確定申告書の記載チェックポイント〈令和６年３月15日締切分〉
1. 確定申告の必要性
副業から得た所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。これは、副業で得た収入から必要経費を差し引いた後の純利益が20万円を超えた場合に適用されます。確定申告をすることで、適切な税金を納めるだけでなく、過払い税金の還付を受けることも可能です。
2. 申告方法
確定申告は毎年2月16日から3月15日までの期間に行います。申告には、収入と経費の明細が必要です。電子申告（e-Tax）や紙の書類での申告が可能です。特にe-Taxを利用すると、処理が迅速かつ正確に行えるため便利です。
3. 所得の計算
所得は、「収入 – 必要経費 = 所得」として計算されます。ここでいう必要経費とは、副業を行うために直接必要だった費用（例えば、材料費、交通費、通信費など）です。これらの経費を正確に計上することが税金を正しく計算するために非常に重要です。
4. 税金の計算
所得税は所得に応じた税率で計算されますが、住民税は前年の所得に基づいて計算され、所得割と均等割で構成されます。所得割は所得が多いほど高い税率が適用される累進課税です。
2. 副業での所得税と住民税の計算方法
所得税は、副業からの収入から必要経費を差し引いた後の課税所得に基づいて計算されます。住民税は、前年の収入に基づいて計算され、所得割と均等割から構成されます。所得割は所得に応じた比率で課税されますが、均等割は一律の金額です。
3. 節税のポイント
節税のためには、正確な経費の計上が基本です。また、青色申告を選択することで、特別控除を受けることができ、赤字が出た場合にはその損失を翌年以降に繰り越して所得から差し引くことが可能です。さらに、ふるさと納税や生命保険料控除などの制度を利用することも効果的です。
4. 会社にバレない副業の申告方法
副業が会社にバレないように申告するためにはいくつかのポイントを理解しておく必要があります。日本では、副業収入が発生した場合、税務申告が必要となるケースが多く、この申告プロセスを通じて副業が発覚する可能性があります。以下にその対策方法をまとめました。
1. 特別徴収の回避
日本の税制度では、住民税が勤務先を通じて特別徴収されることが一般的です。この特別徴収を回避し、普通徴収（自分で直接市区町村に住民税を納付する方法）を選択することが可能です。これにより、副業による収入増が勤務先に伝わるのを避けることができます。市区町村に申請して、普通徴収に変更する手続きを行う必要があります。
2. 確定申告の際の注意点
確定申告をする際にも、勤務先に知られずに申告する方法として、e-Tax（電子申告）を利用することが一つの手段です。紙の書類で申告する場合、その書類が勤務先に送られることはありませんが、e-Taxを使うことで、すべての手続きをオンラインで完結させることができ、プライバシーの保護にもつながります。
3. 副業収入の管理
副業収入を適切に管理し、所得が20万円以下の場合は、原則として確定申告が不要です（ただし、本業の給与と合わせて総所得が基礎控除額を超える場合は必要です）。ただし、副業で発生する収入が少額であっても、勤務先の規則で副業が認められていない場合は、その事実が発覚するリスクがありますので注意が必要です。
4. 法的な規定と個人の責任
副業が明確に禁止されていない場合でも、副業による収入が勤務先に知られることで問題が生じる可能性があるため、副業を始める前に勤務先の内規や契約内容を確認し、必要に応じて事前に相談を行うことが望ましいです。また、税務申告を怠ると、後に税金の追徴や罰金が科されるリスクがあるため、法的な義務は適切に履行することが重要です。
副業による収入を適切に管理し、税務申告を正確に行うことで、勤務先に知られることなく副業を続けることが可能です。ただし、万が一副業が発覚した場合に備えて、対応策を準備しておくことも重要です。
いちからわかる！ 確定申告 トクする書き方ガイド 令和6年3月15日締切分 (いちからわかる！シリーズ)
